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| Bリーグ10周年の節目、「夢のアリーナ」で新時代へ |
2025/10/4掲載 |
Bリーグは、発足から10年目という節目のシーズンを迎える。
その幕開けとして、宇都宮ブレックスとアルバルク東京が対戦する開幕戦を前に、島田慎二チェアマンが囲み取材に応じ、これまでの10年の歩みと、来シーズンから始まる「Bプレミアム」を見据えたリーグの未来像を語った。
激動の10年を経て、Bリーグはどこへ向かうのか。
■ 進化を止めない「次の10年」へ
「早いもので10シーズン目。ただ、シンボリックな変化があるわけではなく、毎年少しずつ進化を続けてきている」
島田チェアマンは、10周年を特別な節目としながらも、本質は継続的な進化にあると強調した。
現行のレギュレーションとしては最後のシーズンとなるが、競技レベル、事業規模の両面で「常に前年を超えていく」という姿勢は変わらない。
特に、ワールドカップでの活躍もあり、バスケットボールへの注目が高まる中、「代表の強化にも貢献していかなきゃいけないのは紛れもない事実」と述べ、リーグ全体の強度を高めていく決意を示した。
ジェットコースターのようだったと振り返る過去10年から、「もっと安定的に地に足つけて、年々しっかり成長を遂げていける、そんな次の10年にしたい」と、持続可能な成長期への移行を目指す考えを明らかにした。
■ 世界レベルの競争がもたらす成長
NBA経験者をはじめとする実績豊富な外国籍選手がBリーグに参戦している傾向についてチェアマンは、「年々素晴らしい選手が来ており、目指しているグローバルなリーグになりつつある」と歓迎の意向を示した。
ハイレベルな選手の加入は、試合の質を高めるだけでなく、日本人選手の成長にも直結するという。
「練習の時にすごく成長機会を得るということは、よく選手から聞く」と明かし、プレー技術のみならず、コンディショニングや練習に臨む姿勢といったプロフェッショナリズムを学ぶ絶好の機会になっていると分析。
リーグ全体のレベルアップにつながる好循環が生まれているとの認識を示した。
■ 「夢のアリーナ」が拓く未来
今シーズンの象徴的なトピックの一つが、首都圏に誕生した「LaLa arena TOKYO-BAY」のような大規模アリーナの存在だ。
チェアマンは「東京にこれだけ素晴らしいアリーナができたというのは大きい」と語り、沖縄アリーナの誕生から始まった「夢のアリーナ」構想が、全国で現実のものとなりつつある現状を「一つの節目」と位置づけた。
「いいアリーナができればできるほど、さらにいいアリーナが出てくる」と、アリーナ建設が新たな基準を生み、クラブやデベロッパーの進化を促す好循環を指摘。
この流れを止めることなく、ファンにとってより魅力的な観戦体験を創出していくことの重要性を訴えた。
■ 集客への挑戦とクラブの経営努力
一方で、立派なアリーナができたとしても、観客が集まらなければ意味がない。集客という課題に対し、チェアマンは「特効薬があるわけじゃない」としながらも、最も重要なのは「クラブの企業努力、経営努力に尽きる」と断言した。
Bリーグが導入している新ライセンス制度では、平均入場者数などが厳格な基準として設けられている。
これは単なるハードルではなく、「お客さんを迎え続けられなかったら(リーグから)落ちるということ」だと説明。
勝利至上主義だけでなく、ファンに選ばれ続けるための経営努力をクラブに義務付けることで、リーグ全体の価値向上を目指す戦略的な仕組みであることを強調した。
■ 首都・東京から世界へ
首都・東京に大規模アリーナが誕生したことは、Bリーグが目標に掲げる「NBAに次ぐ世界第2位のリーグ」というビジョンにおいても大きな意味を持つ。
チェアマンは、特定の地域に偏重するのではなく全国での発展が重要としながらも、「世界的に知られた東京という場所にアリーナができたことはリーグとしても大きい」と述べた。
さらに、こうしたアリーナはリーグ戦だけでなく、日本代表の国際試合を誘致する上でも重要なインフラとなる。
国内リーグの発展と代表強化の両輪で、日本のバスケットボール界全体の存在感を高めていく上で、新アリーナが果たす役割は大きいと期待を寄せた。
2リーグ分裂という困難な時代から始まり、コロナ禍という未曾有の危機を乗り越えたBリーグ。
10年という節目を迎え、新たなアリーナ、世界レベルの選手たち、そしてクラブの弛まぬ努力を原動力に、次なる成長のステージへと着実に歩みを進めている。
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| 2025-2026シーズン |

特集・取材レポート
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